優しい黒 heisoku「春あかね高校定時制夜間部」

定時制夜間部の高校に通う、ちょっとはみ出したおおむね普通の高校生たちが送る日常系マンガ。

脳天気に見えて家庭環境からかしっかり将来を見据えている山岡はなお。精神病院での長期入院から退院した鉄黒よしえ(40)。人懐こい笑顔の中からふとした危うさを見せる雨森みこ。などなど各キャラクターともとても魅力的なのだが、このマンガの魅力はなんと言っても黒の使い方だと思う。

作者の前作「ご飯は私を裏切らない」も、悲観的なお話で黒いコマが多いにもかかわらず、底の所では絶望に染まっていない感じがあった。

本作も夜間部という設定もあって黒いコマが多いのだが、どこか包み込むような暖かさを感じる。下のコマとかは象徴的だが、黒に黒だけでない色を感じる。

精緻に背景を書き込むタイプのマンガではないのだが、トーンの使い方がすごく旨いのだと思う。(技術的なことは全く分からないのだが)

兎も角、夜間部という題材はheisoku先生の画風にもあった素晴らしい題材だと思う。是非続いて欲しい。一人でも多くの人にこのマンガを読んで欲しい。

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