風刺とホラ話と虚構

虚構新聞は死にました - 今日も得る物なし

手元の明鏡国語辞典で「デマ」を引くとこうある。

  1. 政治的な効果をねらって意図的に流す虚偽の情報。民衆を宣伝するための悪宣伝。
  2. 根拠なないうわさ話。流言飛語。

虚構新聞の日本ユニセフ協会についての記事は1に該当すると思うがどうだろうか。虚構新聞の管理人に政治的な意図がないなんてのは通じないだろう。あの記事の公開が日本ユニセフ協会の名誉や信用を毀損するというのは当然思い当たってしかるべきだ。

嘘だからといって名誉毀損に当たらないという理屈はない。実際には悪口雑言・流言飛語とか言ったものは根拠なく現れるものだが、人間の心理はそう捉えない。「火のないところに煙は立たぬ」と捉える。ある人物に対する悪意ある宣伝が繰り返されれば、それが明らかに胡散臭いものであっても、その人物への印象は悪くなる。宣伝が嘘であっても、対象が何者かに悪意を持たれているという情報が伝わるし、悪意を持たれている人物に近づかないほうがいいという判断は多くの場合合理的だからだ。

だいたいこの記事は嘘だといったところで、どこまでが嘘だとは言っていない。実際事実の部分もあるのだ。

僕は荒唐無稽なホラ話は好きだが、少なくとも今回の虚構新聞の記事はホラ話ではないと思っている。内容のほとんどがネット上に流布する日本ユニセフ協会についての悪いイメージを寄せ集めて拡大しただけで、独創的な部分がないからだ。

僕は風刺というのは嫌いじゃないが、少なくとも今回の虚構新聞の記事は風刺として非常に出来が悪いと思っている。事実としてある問題を遠回しに批判するために脚色を加えるなら風刺だと思うが、批判の内容がぼやけているし、記事の中心的な部分が嘘だからだ。

要はただの悪意のある嘘である。

僕は別に嘘を言ってはいけないというような倫理観は持っていないので、虚構新聞の管理人が刑事罰を受けるべきだとかサイトを閉鎖するべきだとは思わないが、日本ユニセフ協会が記事の削除を求めたり、今後民事訴訟を起こしたりするならもっともなことだなとも思う。