ともつか治臣「令和のダラさん」

 

年末年始は積み本をちまちま崩していたが、その中ではこのマンガが一番面白かった。

土砂崩れで祠が崩れたことがきっかけで知り合った蛇神・屋跨斑(ヤマタギマダラ)ことダラさんと、現代っ子のきょうだい(政治的に配慮した表現)の交流を軸とした伝奇コメディ。

ダラさんがなぜ蛇神になったのかという過去編をザッピング的にちょこちょこ挟む構成で、そちらではコメディ色を消している。身体的なギミック以外はちょっと変わってるだけのキャラになりがちなモン娘ものにおいて、モンスターとしての恐ろしさを描写しつつ、人間的な交流も可能ないい演出だと思う。

で、過去編が続き物なのに対して現代編は基本一話完結のコメディのため、ともすれば現代編の方が邪魔になりかねないところ、登場人物の味がとにかく濃いため飽きない。化物のはずのダラさんが周囲に振り回されるという展開が無理なくできている。

連載分では過去編はそろそろ終わりそうなので、その後どういう展開をみせるかも楽しみ。