白川雷電「黒鉄の太陽」

 

朝目覚めると「地下」に落ちていた超能力少女リンと、《太陽》を宿す謎の男クロガネがの冒険活劇。やや詰め込みすぎな感はあるが、それぞれの理由で「天井」を目指すストーリーは一本筋が通っててしっかり読ませてくれる。

石川賢ばりの荒々しいタッチとベタ塗りで描かれる、動きのあるアクションシーンが特徴的。機械と肉が融合したような異形がたくさん登場するのだが、ソリッドさと同時に筋肉の動きが伝わってきてたまらない。特にクロガネの跳躍する様は、上を目指すというテーマとも合致してて見てて気持ちが良い。

あとヒロインのリンの造形が素晴らしいね。三白眼(四白眼?)がいい。瞳の大きさや向いている方向でその場面ごとの意思がはっきりと伝わってくる。普段は地下世界の黒に溶け込む黒のセーラー服に目が映えるって言う構成で、力が解放されると全身が白に染まるという解放感。