敬語とは遠ざけること
配偶者のニュートラルな呼び名
- [言葉]
- [増田]
奥も旦那も語源から離れた敬語表現なのでそれで良かろうよ。配偶者・夫・妻のような直接的語を避けて、あえて迂遠な表現をするのが敬語というものなので。
2017/02/10 17:24
敬語とは遠ざけること、と言うと言い過ぎだが、重要な要素の一つではあるだろう。
色のついていないニュートラルな表現がほしいと思うのはもっともだ。けれどニュートラルというのにも色々あって、客観的な表現ならいいが直截的だと失礼な感じになってしまう。
「君にお父さんと呼ばれる筋合いはない!」と言われるのは義理の父子になる関係を拒否しているからであり別の話だが、それでなくても「あなたの父親は~」というと若干無礼な感じはあり、普通はお父さんとかお父上とか敬語を使うだろう。別に父親が目上の人だから、というだけではない。「あなたの息子は~」というのものよほど公的な場でないと使わず、息子さんとかご子息とか言う。「あなたの息子」は下ネタっぽいというのは、まあ置いておこう。
他人の夫や妻に「あなたの夫or妻は~」という表現が使いづらいのも同じように、一対一の関係である夫と妻に踏み込んでしまっているように感じるからだろう。夫or妻という表現を使っていいのは公的な場を覗いては当人のみ、という意識がある。対象を敬語にすることで、「それが自分の身内では無い」という声明になるのだ。
で、ブコメには配偶者と呼ぶというのも多かったのだけれど、配偶者は法的な婚姻関係にあるものにしか使わないというのに加えて、やっぱり一対一の関係から離れられていないので、失礼な感じからは逃れられないんじゃないだろうか。
自分の妻を嫁さん・奥さん・相方・ツレなどと呼ぶのはよそよそしくて違和感がある、というような話題もたまに上がるが、それも直截的な関係を意味する表現に照れがあるから、自分との関係性を表す「妻」という語がさけられるのだろう。