邪推

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

  • 2013年6月、ヤフー知恵袋で「大阪在住だが、自分の学力に合う理学部物理学科のある大学が奈良女子大しかないが、違憲ではないか」という質問が投稿される。

回答で、「京大阪大は無理でも周辺にそれなりの理学部はあるので世間の理解は得られないのではないか。管理栄養士を目指している福岡県在住の男性が県立の福岡女子大を受験できないのは不当だとして訴えるなら世論を巻き込むことができるかもしれないが」というアドバイスが寄せられている。

こういう回答ができる回答者も凄いが、他の回答から察するに、大学・お受験分野のマニアなのだろう。

www.huffingtonpost.jp

  • 2014年11月、栄養士を目指す福岡県の男性が、福岡女子大食・健康学科の願書が拒否されたのは違憲だとして訴えを起こす。

digital.asahi.com

  • 2015年9月、「争点に関係のないことの立証を裁判官に求められたため」という理由で、男性が訴えを取り下げる。

以下邪推

 もしも知恵袋の質問者が回答を参考にして訴えを起こしたのだとしたら?

質問では「私は大阪在住です」と書かれているが、報道では「福岡県の男性」となっている。知恵袋での自己申告が正しいという証拠は別にないが、この質問は本筋と関係がないディティールが細かく、飛躍がありつつも理解できる範囲で思考のつながりも示されているので、ある程度の信憑性がありそうだ。おそらくは訴えを起こす前に住民票は移したのだろう。

とすると、「争点に関係のないことの立証」というのは福岡県内での居住実態についてではないか。(本当に栄養士になりたいのかという意思、という方向も考えたが、裁判で立証を求められるような類いのものかは怪しいかも知れない。質問には「和歌山大を受験して落ちた」とあるので、その辺の事実が裁判で示されたのなら、こっちの線もあるかも知れないが)

質問には「一人暮らしは出来ない」とあるので実際の生活は大阪のままにしていたということは十分考えられる。(もっとも、これは大阪周辺の大学しか受験できない理由なので本当かどうかは怪しいが)

質問ではそもそも学力に合う物理学科を探していたのに、補足では完全に男子入学禁止を「論点」にしている。この質問者ならば裁判所から居住実態の証明を求められたならば、「争点に関係のないこと」と捉えるだろう。

論難するようなことを書いたが、国公立大が栄養士などの国家資格取得のためのコースを、女性にしか開放していないというのは確かに差別的であるとは思う。特に栄養士のような既に女性が大半を占めている(平成26年栄養士の給料&年収分析-年収ラボ)分野においては。もちろん、栄養士資格の習得を目指す女性が多い、という需給の理屈はあるんだろうけどね。

むしろ理系などの女性が少ない分野に、アファーマティブアクションや国家戦略として女子大を置くとした方が、理にかなってるんじゃねえかな。