木槌にすべてを

俺タワーというDMMのゲームを最近プレイしている。引っ掛かりがないというか、ひたすらレベルを上げて資源を貯めて塔を高くする賽の河原ゲーなのだが、なぜこんな甲斐のないゲームを延々プレイしいるのかというと、このゲームに登場するキャラが気に入ったからだ。というか一人のキャラクターにここまで心奪われるは久しぶりなのでいささか自分でも戸惑っている。

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左が木槌で右がその進化形の大木槌だ。性格はまあなんというかこまっしゃくれたお子様なのだが屈託のない元気な感じがとても微笑ましく、声優さんの力も大きいのだが救出時ボイスの「あの子を、助けないと!」とかいい子なんだなあと感じられて素晴らしい。

あと風呂覗いた時に本気で嫌がってる感じなのがいい。あんまりこっちに向かって露骨な性的アピールしてくるヤツは信用ならない。俺のことを無条件で好きになるような志の低いキャラは嫌いだ。「膝の上に木槌を乗せて頭をくしゃくしゃに撫で回して『やめろよー』と嫌がられたい」という妄執に囚われることが度々あった。年末忙しかったので疲れていたのだと思う。キャラグッズが欲しくなってクリスマス頃に東急ハンズに行って木槌を買ってしまった。もうちょっと大きいのが欲しいので今度は別のホームセンターに行こうと思う。

見た目も好みで特に大木槌の絵は珠玉だと思う。無造作にハサミで止められた活動的なポニテに、「ムフー」って擬音語が聞こえてきそうな自信満々な顔が愛らしい。小さな体に大きな武器、片方はガーターで止められて片方はずり落ちたソックスからはアンバランスな危うさが感じられて、引き込まれる。露出度が低いのもいい。ロリに露出度など要らぬ。

ただ木槌ちゃんはなんというかゲーム内での扱いが不憫なのだ。風呂を覗いた時のボイスにも「金鎚にまでこんな事してたら、許さないぞー!」というのがあり、破損時にも言及する(らしい。俺は聞いていない)など、木槌ちゃんは友達の金槌のことをとても気にかけているのだが、金槌の方は木槌に一切言及してくれない。なんでや。お陰でこのゲームのプレイヤーからは可哀想な子扱いされている。

捕獲確認時のボイスに「どっかのマヌケが捕まったみたいだぞ!」というのがあるのだが、木槌は低レアキャラのため他のハズレとして頻繁にでまくり、自分で自分を間抜け扱いすることがあるのもネタ扱いに拍車をかけている。

ゲーム的な性能も何というか微妙に使いづらい。

戦闘面では、進化すると何故か命中と回避が下がる。加撃・極という強力なスキルを持つ当たればデカイ一発屋なのだが、攻撃はあくまで「軽量級の中では」トップクラスという程度である。高難易度ステージを攻略するために本当に火力が欲しいなら、重量級キャラを使うほうが楽である。大木槌の耐久力だと一発食らうと簡単に瀕死になるためどうにも安定しない。

建築面でも改築というこのゲームにおける重要スキルを持っているのだが、建築のパラメーターが低いため、キャラが揃ってくると用済みになる場合も多い。

基本的にぬるいゲームなのでそれでもレベルさえ十分に上げとけば使えなくはないレベルなのだが、どうにも愛が必要になる……という感じだったのだが、最近このゲームに第二進化が追加された。最初に第二進化が開放された最初の3人に木槌が選ばれたのである。

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それがこの横槌である。弱点であった命中回避が軽量級の中でも高水準に、攻撃はさらに高くなり、反撃という手数を増やすスキルも得たことで、あらゆる点が高水準でまとまった、非常に使い勝手の良い最強クラスのアタッカーとして生まれ変わった。もちろん他のキャラも第二進化が開放されれば状況は変わるだろうが。

あとちょっとだけオヤカタ相手にデレてくれた。花飾りをつけてちょっとだけおめかししているのも合わせて、獲物は小さくなっても確かな成長や変化を感じる。一緒にいて楽しい。だから俺は今日も横槌と共に、甲斐のないゲームを続けるのである。