許せる嘘と許せない嘘

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130403-OYT1T01222.htm

宝くじ当たり1千万円寄付…市議がブログにウソ : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

みえみえの噓というほど荒唐無稽って訳でもないしなあ。100億円当たったとかにしとけばよかったのに。

 

僕個人はエイプリルフールだからといって特に嘘はついていませんが、他人の嘘はそれなりに楽しんでいますし、皆様ご自分の責任の範囲内でどんどん嘘をつけばよろしいかと思います。

ですが、上記事の市議の嘘はダメな嘘だと思いました。具体的な損害はないし、憤るというよりは呆れるというような感じなのでどうでもいいといえばいいのですが。なぜダメだと感じたのか自分の中のボーダーラインを分析してみました。

※市議のブログを僕は実際確認しましたが、先ほど見たら削除されていました。以下の内容は記憶に頼って書いた部分が大きいです。

 

1.ぱっとみて嘘だとわからない

四月馬鹿の嘘にいちいち嘘だと断りをいれるのは馬鹿馬鹿しいと思われるむきもあるかと思いますが、騙すためでなく楽しませるための嘘なら最後にネタばらしを入れても問題ないはずです。またネタばらしをしなくても明らかに嘘だとわかる種類の嘘なら、誰も問題にしないでしょう。

1-1.リアリティを増すために工夫している

たくさんの宝くじを机に並べてとった写真をブログに掲載していましたし、4月1日に記事を書いた理由として「年度のはじめに心機一転」「息子が他人に喋ったためにブログでも報告」と、エイプリルフールを意識している人間でも「もしかして本当かな?」と思わせることを書いています。

また嘘だとばれないための工夫として、ブログを見るとこの市議は去年もエイプリルフールに何か嘘をついているようなのですが、去年の4月1日の記事も削除されていました。『今年はこれで精一杯です』みたいな但し書きがあってまあ嘘だと気づくきっかけが無かったわけはないのですが、ちょっと足りないかなと感じます。

単純な嘘と手間をかけた嘘では後者のほうが印象が悪いと感じます。

あと本筋とは関係ありませんが、4月1日の記事そのものはともかく、前に確認した時にはあった謝罪的なことを書いてた記事まで削除して痕跡を完全に消してしまったのはどうかと思いますよ。

1-2.本当だとしても無理がない

市議が宝くじにあたったから市に寄付するというのは、まあありえる話です。最初から疑心を抱いていない限り、そのまま信じてしまっても無理の無い話でしょう。

2.おもしろくない

法的にはともかく、おもしろければ大抵のことは許されます。というか、この市議は何を考えてこんな内容の嘘をついたのかさっぱり理解出来ません。僕は別におもしろくない人間なのであんまり大きなことは言いたくないのですが。

2-1.スケールが小さい

荒唐無稽な大ぼらというのはそれだけで面白みがあるものです。自分の想像も出来なかった見せられるというのは面白さの基本ですからね。そこのところを考えると、「宝くじで1000万あてて、道路整備と中古バスのために寄付」というのはちっちゃすぎます。億兆の単位で寄付するとか、想像もできない用途に使うとか、もうちょっとなんかあっただろうと思わざるを得ません。

2-2.自分をよく見せる嘘である

してもない寄付をしたというのは、まあ一般的に言って自分をよく見せるための詐称ですよ。結果がどうあれ他人を楽しませるために嘘をついたなら、まあしょうがないなと思いますが、そういう嘘に見えません。

 

念のため、これらの要因は単独でダメだというわけではなく、複合的に閾値を超えるとダメだという種類のものだと思います。